ゆうちょ銀行に家族信託を相談するメリットと注意点
- 公開日:
- 更新日:
家族信託相談をするメリットと注意点
ゆうちょ銀行に家族信託を相談するのにはメリットがあります。まず、“かんぽ生命の提携先である”という安心感は大きいです。さらに、ゆうちょ銀行は全国に店舗がたくさんあります。かんぽ生命や日本郵便が同じ店内にあるので、利便性がよく相談しやすいのもメリットです。一方でいくつか注意点もありますので、以下に挙げておきます。
ゆうちょ銀行が対応してくれるわけではない
これまで説明してきたとおり、ゆうちょ銀行は家族信託について相談にはのってくれるものの、実際の対応をしてくれるわけではありません。かんぽ生命の提携先であるファミトラの家族信託サービスを紹介されます。
司法書士や弁護士等専門家ではない
外注先であるファミトラは、司法書士や弁護士といった国家資格者ではありません。そのため、契約書の作成、登記、法律相談の対応はできません。ファミトラが提供している基本サービスは、家族信託組成のサポートサービスと、家族信託が開始してからの信託監督人サービスです。家族信託組成については、その“サポート”を行うのがメインで、実際に家族信託を利用するには、ファミトラの紹介先である弁護士等に依頼して信託契約書を作成することと、不動産がある場合には、更に司法書士に登記手続きを依頼することになります。
別途専門家費用がかかり意外に高い
ファミトラで家族信託組成サポートサービスを受けた場合、信託組成プランを提案されます。納得のいくプランができあがれば、信託契約書等を作る段階に入ります。実は、その契約書作成は弁護士が、登記は司法書士が別途で行っているのが現状です。そのため、ファミトラの基本料金自体は安いものの、別途専門家費用が追加でかかり意外に高額となります。
総合的な相談ができない
ファミトラの商品は家族信託の組成サポートです。そのため、親の財産を管理する方法が他にあったとしても、家族信託ありきになる可能性が高くなります。また、お客様の課題や希望をヒヤリングするのは家族信託コーディネーターという資格を持つ担当者なのですが、この資格は、研修を受けるのみで取得できてしまう民間資格であり、弁護士や司法書士、税理士といった専門家ではありません。そのため、後見や相続税対策といった家族信託以外の、相続を含めた総合的な相談は難しく、総合的な相談をご希望の場合には、結局、外注先専門家への相談となる可能性があります。