兄弟による遺産相続の注意点をわかりやすく簡単に解説!
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相続人が複数いる子(兄弟姉妹)である場合の注意点
被相続人に複数の子がいる場合、兄弟姉妹で親の遺産を分割することになります。
子が一人であれば、相続もそれほど難しくないでしょう。けれども兄弟姉妹の数が増えれば増えるほど複雑となり、負担がかかりがちです。親の遺産を兄弟姉妹で引き継ぐ際の注意点について以下に解説します。
子の相続分は子の人数によって異なる
子の相続分は、
・被相続人の配偶者の有無
・子の数
によって異なります。
例えば、親の遺産9,000万円を子が相続する場合の法定相続分は1(9,000万円)です。
けれども、子が3人の場合は3等分するため、一人あたりの相続分は3,000万円になります。もし配偶者がいた場合の法定相続分は、1/4(2,250万円)。これを3等分すると、一人あたりの相続分は750万円です。
全ての相続人を把握する
親が亡くなり遺産相続が発生したら、早い段階で全ての相続人を把握しましょう。
血を分けた兄弟姉妹以外はいないと思っていても、親の隠し子や誰にも知らせることなく養子縁組をした子がいる可能性があります。そのことを確認せずに遺産分割協議を進めてしまうと、仮に話し合いがまとまった後に新たな相続人がいることが判明した場合は、その協議は無効となってしまいます。
最もベーシックな相続人の調査方法をご紹介します。
①被相続人の本籍地のある市町村役場において、除籍謄本を含む戸籍謄本を取得する
②①をもとに、被相続人の戸籍謄本を追いかけながら相続人を確認する
③もし被相続人が生前本籍を変更したことがある場合は、前の本籍地を管轄している市町村役場で戸籍謄本を取得する
④被相続人の全ての戸籍謄本を調べたら、相続人全員の名前をリストアップする
兄弟姉妹の配偶者は話し合いから外す
兄弟姉妹が親の遺産を相続する際に、兄弟姉妹の配偶者が口を出してくることも珍しくありません。そうすると、話し合いがこじれ長引きやすくなり、話が平行線のまま時間が過ぎていくだけとなってしまいます。
兄弟姉妹の配偶者は、被相続人と養子縁組をしていない限り法定相続人には該当しません。つまり、配偶者は口を出す立場ではないのです。遺言書で指名されていたり、被相続人の介護をしたりしていた事実があれば別ですが、兄弟姉妹の配偶者を交えて話し合いをする必要はありません。配偶者が原因で話がこじれているのであれば、お互いの立場をはっきりさせて口出しするのを控えてもらいましょう。それでも引き下がらず遺産分割協議の進行を邪魔するのであれば、家庭裁判所で遺産分割調停を申立てて、法定相続人のみで話し合える環境を整えるのが一番です。
不動産の共有は可能な限り避ける
子同士で親から引き継いだ不動産を共有することは避けましょう。例えば、相続時はお互い独身でも、どちらか一方が結婚した場合、「新居として自宅を利用したい」「自宅を売却してマンションの購入費に充てたい」というふうに、不動産の扱い方にずれが生じるかもしれません。
また、共同で不動産を相続すると、代を追うごとに相続人が増えて相続が複雑化していきます。兄弟姉妹で不動産を相続したら、代償分割または換価分割で不動産を処理するのが賢明でしょう。